TRICK OR TREAT!
だんだんと季節が変わり、峠の木々も、その色を鮮やかに変化しだす
星空の下で何台という車がアイドリングをしながら、広いロータリーで
ある人物たちの登場を待ちわびる。
「はぁ〜、いつになったら来るのやら・・・」
煙草を靴底で踏み消し、息も白くなってしまうかと思うほどの
寒さの中、岩城清次は呟いた。
栃木県、日光いろは坂・・・
彼らのホームコースである、この場所も。
何本目の煙草に口をつけているのか分からない岩城を含むメンバーたちも
今日はガラッと雰囲気が違う。
厳つく、近寄り難いEmperorの面々が頭にネジをさしたり
ゴムで出来た牙を装着したりと少し不思議な感じに変化している。
「・・・奇妙な光景だな」
コレが本当に普段のEmperorか・・・?と自問自答する岩城自身も
頭や腕に包帯を巻いている。
しばらくして聞こえてくるエキゾーストに集まったメンバーたちは
待ってましたとばかりに、その音のするほうに顔を向けた。
滑るように入ってきた黒い車体から、二つの人影のうち一人が外に降り立った。
須藤京一・・・Emperorのチームリーダーにして、いろは坂最速の男。
それに続くように、小さな人影が後ろにやってくる。
彼女こそ、彼らが待ちわびた人物。
須藤
、須藤京一の妹。
しかし、その姿は兄とは似ても似つかず・・・
小さな身体に大きな瞳、透き通ったような肌は本当に兄弟なのかと
疑いたくなるほど愛らしい。
「京一、やっと来たか」
煙草に火をつける京一に近づくと、いきなり岩城の前に
が飛び出した。
「Trick or Treat!」
「ほらよ、いつも可愛いけど今日は一段と可愛いよ、
ちゃん」
微笑みながら言う目の前の少女に優しく微笑みながら岩城はポケットの中から
前日から用意していたチョコレートを取り出して渡す。
「ありがとうございます」っとはしゃぎながら手に持っていた袋に貰ったばかりのお菓子を入れる
その姿は、黒い服に黒いミニスカートなのだが、スカートから一本、長い尻尾が生え大きな赤いリボンが結ばれている。
そして頭の上には、ひょっこりと黒い耳が二つ付いていた。
「えへへ、黒猫で〜す。岩城さんはミイラですよね〜?」
「正解、よくわかったな〜」
楽しそうに首に巻かれた鈴をちり〜んっと鳴らしながら他のメンバーに駆け寄っていく
の背中を見送りながら、
岩城は京一の隣に歩み寄った。
お互いの姿を不審な目で見ながら最初に口を開いたのは京一の方だった。
「・・・似合ってるな、お前」
少し嫌味を含んでいるような言葉に岩城は溜息を漏らし、お前の方こそっと反論した。
今の京一の姿は頭のタオルの上から茶色の耳を出し、ボトムからは耳と同色の尻尾・・・
さしずめ狼男っと言ったところだろう。
ちょこちょことメンバーたちに決まりの言葉をぶつけ、お菓子を集めていく
は
本当の猫のようで、目を放した隙に居なくなりそうだ。
そんな不安そうな目で妹を見る京一を岩城は横からそっと眺めた。
一通りメンバーからお菓子を貰い終え、兄の下に戻ってきた少女は
そんな兄の顔を知らずに居るのだろう。
「お兄ちゃん、次行こう?」
無邪気に微笑、エボVのナビシートに潜り込む
をみて、兄と呼ばれた男が車に乗りアクセルを踏んだ。
「京一も、ツライ立場だよな〜」
下っていく黒い塊を見ながら岩城がポツリと言った。
場所は変わり、群馬県。
ー赤城山・・・
下から上がってくるパンパンと喧しい車に
目を向けながら、メンバーたちに始めるぞっと、合図を送るリーダーに
メンバーたちの顔色が明るくなった。
「アニキ、来たのか?」
「そのようだな」
嬉々と近づいて来た弟・高橋啓介は、徐々に向かってくる黒い塊・・・
もとい、のっているであろう少女を
隣にいる兄と待ち合わせした時間の30分も前から待っていたのだ。
ゆっくりと停車する車に足を向け、赤城REDSUNSのリーダー・高橋涼介は助手席側の扉を開けた。
「ハッピーハローウィン、
」
「ハッピーハローウィン、涼介さん!」
ぴょんっと跳ぶように下りてきた黒猫の少女をみて
涼介は微笑みながら頭を撫でる。
照れくさそうに微笑み、大人しくしている
の様子を見て京一はおもしろくなさそうに間に割り込む。
「今日は悪いな、どうしても
がハローウィンをしたいと言って仕方なかったんだ。」
「いや、
の為ならこのくらいどうって事ないが。京一も居たとはな・・・」
無愛想に言う京一に睨みを利かすように涼介も負けじと言い返す。
傍から見れば「狼男VS吸血鬼」のような二人を見て溜息をつき啓介は
を
その場から連れ出した。
「あの二人もアレだよな、こんなときくらいは仲良くすりゃいいのに・・・」
「あははっ、仕方ないですよ。いつものことですし」
苦笑をもらしながら歩みを進めていくと
の目にはパンダトレノが目に入る。
近くによって、その持ち主が推定できるロゴを見て啓介の方を振り向く
「拓海くんも来てるんですか?」
「まぁな。」
ちょっとした年末の宴会のようになっている騒がしい駐車場を眺め
啓介は溜息をついた。
その後ろから悪魔に仮装した藤原が顔を出した。
「あ、拓海くん悪魔ですか〜、似あってますよ」
微笑みながら言う
をみて藤原の顔は満足げに笑った。
「
も似あってるよ、黒猫」
「啓介さんは魔法使いさんですか?」
「あぁ、似合うだろ?」
「はい、とっても!」
そう言い、満面の笑みを向けた
の姿を見て
その笑顔の対象であったであろう二人は
ハローウィンという行事に心の中で感謝した。
「それじゃあ、二人とも!Trick or Treat!」
期待に胸を膨らます
の視線に、鼓動の高鳴りを抑えるように
二人は大量のチョコや飴を目の前に居る黒猫の持っている袋に入れる。
嬉しそうに満面の笑みになって、歓んでいる
を見て、二人も嬉しそうに微笑んだ。
「二人とも、こんなに良いの?」
((お前にやるために、買ってきたに決まってんじゃん////))
頬を染めながら、コクンと頷くと
は、「ありがとう」っと二人に飛びつく。
それをみて、面白くないのは除け者にされている二人だ・・・。
の背後に回り京一は、二人から愛しい妹を引き離す。
怒られるようなことをしただろうか、とキョトンとしている
を尻目に
京一の目線の先は、涼介から悪魔と魔法使いの二人に移っていた。
しかし、それを上回るほどの殺気に近い気を放ちながら
黒い彗星と化している、白い彗星こと、高橋涼介は
二人から離れた
の隣に、さりげなく向かう。
「Trick or Treat!」
微笑みながら隣りで、お決まりの文句を言う涼介を見て
は一瞬、キョトンとした表情を浮かべる。
「え、えっと、ちょっと待ってくださいね?」
慌ててポケットを探るが、
のポケットに何時も常備の、お菓子は見当たらない。
(・・・あれーっ?いつもはアメの2個や3個あるのにぃ?!)
そんなことを思いながら、必死になっている
を見て、涼介は思惑通りと微笑む。
「ゴメンなさい、涼介さん!今日は、お菓子無いみたいなんです・・・。」
シュンっとしてしまう
に
涼介は、クスリっと苦笑を漏らした。
「それじゃあ、Treatだな。」
どこか、嬉しそうな声で言う涼介に
首を傾げると、涼介は
そんな
の頬に軽く、キスをした。
「「「っ?!」」」
「アニキ!何してんだよ!!」
「・・・涼介さん、抜け駆けですか?」
「
、大丈夫か?!お兄ちゃんが付いてるからな!」
いきなりのことに、キョトンとしている
を尻目に
オロオロと焦る啓介。
何気に黒い物を出しながら微笑む藤原・・・。
あまりにもの驚きに、半狂乱になる京一・・・。
そんな、光景を見ながら
作戦がちと満足げな微笑を浮かべる涼介。
いつもより、騒がしい山頂で
ハローウィンの夜は更けていった。
R「よしっ!10月以内にかけた!!」
啓「お前にしちゃ、頑張った方じゃん?」
涼「文才は別として、だがな?」
R「・・・彗星さん、うるさい」
涼「何か言ったか・・・?」
R「Σ何でもございません!!」
啓「次は、京一だよな・・・?」
R「だいぶ、先延ばしになるけどね?」
啓「・・・」
R「たぶん、ローゼンの方が先に更新できると思う・・・。」
涼「(溜息)」
啓「両方やれよなー。」
R「ま、まぁ、ボチボチと・・・」
啓「ここまで、読んでくれてサンキューな?」
涼「感想などはBBSにヨロシク頼む」