本日は晴天なり・・・。



天気は雲ひとつないほど快晴・・・

青くて青くて・・・届きそうで・・・

無性に手を伸ばしたくなって・・・

伸ばしてみた・・・

でも・・・やっぱり届かなくて・・・

当たり前のことなのに・・・寂しくなって・・・

そんな青い空を、いつも彼と比べてしまう。

すぐに近くにいるはずなのに・・・


「おはようございま〜す!!」

朝、学校に行く10分前・・・
必ずしも聞こえる声があった・・・。
高校に入ってしばらくしたころから・・・ずっと。

「おはよう、 ちゃん・・・」

と呼ばれた少女に声をかけると、また

「おはようございます、文太おじさん!拓海、起きてますか?」

元気のいい声が返ってくる。

「拓海のやつならまだ寝てんじゃねぇかな・・・
いつも悪いね・・・」

「いえいえ、いつものことですから・・・」

2人でそんな会話をしていると、拓海が2階から
下りて来る。
いつものお決まりのパターン。

「おはよ・・・ 。」
まだ少し眠そうな拓海にあきれながらおはようと返す。

「早く学校行かないと遅刻するよ。」

そういいながら は拓海の横に並びながら歩く。

「んじゃ、親父、行ってくる・・・」

「気をつけて行けよ・・・」

そうしていつもと同じように学校に向かう。

登校しながらする話が は好きだった。
ちょっとした昨日の出来事を2人で笑いながら・・・
ぼーっとした拓海の顔が笑顔になると
は嬉しかった。

学校ではあまり口数の少ない拓海はこのときは
おしゃべりになる・・・
ふっ、と、この2人でいられる時間を
ずっと続けばいいと何度思ったか数え切れなかった・・・。

そんなバカみたいな願いが叶うはずもなく
今日も学校の校門が姿を現す・・・。

でも、 は学校が嫌いではなかった・・・

拓海と出会えたのもこの学校のおかげかもしれないから・・・


拓海との出会いは高校の入学式だった。

初めの印象は最悪だろう。
入学式初日・・・
は見事に遅刻した・・・
理由は寝坊・・・
入学式前夜、明日から高校生ということで
中学ずっと仲の良かった友達と夜遅くまで電話で話しこんでしまったのだ。
結果・・・高校の入学式という記念行事を は遅刻というかたちになってしまったのだ・・・。
学校に着いたのはすでに入学式が始まった10分後
今から式に出るというのも・・・
と、思った が向かった先は・・・屋上だった。

「うわぁ〜っ、気持ちいい〜」

が目にしたのは青い空だった・・・。
入学式の最中ということで当たり前に屋上には 一人だった。
なにも聞こえない静かな空を は屋上に仰向けになって眺めた。

(そういえばアレがあったはず・・・)

ゆっくりかばんの中に手をつっこんでみると
予想どうり・・・
紙に包まれた薄いガム・・・
そっと包装紙を解いて口にそれを入れる
ミントの味が口いっぱいに広がる・・・
空の青さとミントの香りで清々しい気持ちになる

「誰だよ、あんた・・・」

そんな声が に聞こえた・・・

(っ?!、誰かにみられた?!)

勢い良く起き上がって は声のする方に振り返る・・・
そこには見知らぬ男の子が立っていた・・・

「・・・あんたこそ、誰?」

「こっちが先に聞いたんだけど・・・」

少しムッとした表情をしたその男は の隣に座るとボソッと呟いた・・・

「女もガム、食うんだな・・・」

そのことばに少なからず は腹を立てた・・・
一人でいる時間を壊したということだけで
にとっては腹立たしいことだったのに・・・

「ガムなんか誰でも食べるでしょう、フツー・・・」

そう呟くと「ふ〜ん・・・」という返事が返ってくる
お互い話すこともなく続く沈黙・・・

は次第におかしくなって気づいたら・・・笑っていた。
隣にいた男の子はきょとんとしていたけど・・・ につられて笑った。

「食べる?ガム・・・」

そういって男の子にガムを手渡すと「サンキュ」と
短い返事が返ってきた・・・
それがまた面白くて はお腹を押えて笑った・・・

「私、 。あんたは?」

涙目になりながら はいった。

「藤原拓海・・・」

口にガムを咥えながら拓海は答えた。

それからまた沈黙が続くけどそれはまた・・・
今度は二人の笑い声でかき消された。


それが拓海との初めての出会い・・・
は、その時と同じ場所・・・屋上にきていた

(なんか気分が乗らない・・・)

そう思うといつも は屋上に向かう・・・思い出の場所へ・・・
こうして何度か授業をサボったこともある

何度目かのチャイムが鳴るが は教室に行く気がしなかった・・・

には最近、密かに不安なことがあった・・・

それは拓海が のことをどう思っているのか・・・ということ

今までは拓海との関係なんて気にしてなかった ・・・
でも、ある日、自分の中にある気持ちが目覚め始めたら
それは・・・止められない・・・。
自分には恋愛なんて向かないし、興味ないなんて放っておいたことを
いまさらになって後悔する・・・
いくら後悔しても加速しだした気持ちを止めることが出来ない・・・

(私、拓海のことが好きなんだ・・・)

そう確信した の瞳から涙が零れた・・・
好きの気持ちが大きくなるたびに隠れていた弱い自分が顔を出す
誰にもそんな自分をみせることができなかった・・・
だから、 はいつも隠すようにして涙をながした・・・

(拓海は私のこと、女としてみてくれてないのかな・・・?)

(片思いって、こんなに苦しいんだ・・・)

近くにいるのに・・・いや、近くにいるからこそ
自分の手が拓海に届かなくて怖い・・・
だから、空を見つめているとそのイメージは拓海と重なった


「やっぱり、ここにいたのか・・・探したんだぞ・・・」

いつのまにか青空から夕日にかわった空に拓海の声が聞こえた
振り返ると拓海が帰るぞ、と手招きしてい立っていた。
には、そんなささいな一言がとても嬉しく思えた。
それは、拓海が掛けてくれることばだから・・・

「ほら、行くぞ・・・」

屋上から出ようとした拓海を は追い越して笑顔で言った。

「早く帰ろうよ、拓海!」


まだ、私はいうことができないこの気持ち・・・

言って、拓海が離れていってしまうのが怖いから・・・

でも、いつか必ず伝えるからね?

たまに顔を出す弱い私が雨を降らしても

拓海の前ではいつも笑顔でいるから・・・

だから、本日も晴天なり・・・



☆あとがき☆
R「藍さまへお礼のリク夢ですた」
拓「リク消化できてるのか・・・これ」
R「えっと、『拓海夢で、ほのぼの甘くで文太さん、ちらり』だから・・・」
文「・・・俺はじめしかでてきてねぇじゃねぇか、それにこれは甘いのか?」
R「・・・(泣)」
拓「ごめんな、藍さん・・・こいつ文才なさ過ぎて・・・」
文「こんなやつのでよけりゃ〜、持ってってくれ」
R「藍さま、本当にありがとうございました。」
拓「藍さんのみお持ち帰りOKだから」