俺はそこで海の偉大さを知った。




物凄い光景だと思った。





そんな俺の頭を容赦なく殴る奴がいた。




2424hit☆郁矢様からいただきました☆

『水族館へ行こう!・2』









―中里サイド―





「いってぇぇ!!?」

急に来た痛みと衝撃に思わず叫びをあげた。
周りの奴らが驚いて俺の方を見てきたがんなこと気にしてられねぇ!!

誰だよ畜生!!!
勢いよく振り向いた先には知っている顔2つ。
暗い部屋だったが水槽の照明でなんとか判断できた。

「おい、毅ちゃんよぉ…何勝手に先に行って迷子ちゃんになってんのかなぁ〜?」
「し、慎吾君…いくらなんでもたたかなくったって…」

慎吾と だった。


…そういや俺、気付いた時にゃ1人だったような…


「お前らが遅いのが悪いんじゃねぇか?」
「はぁ!?逆だ!!お前が早く進みすぎてんだよ!!!」

一触即発、峠での俺達の雰囲気になってきた。
こうなったら中々止まらなくなる。
一応は言うけど止まらないのは慎吾の方だからな。

「ふ、2人共、止めなよ…」

すると が止めに入ってきた。
縋る様な目で俺達のことを見上げてくる。
動けなくなった俺達。
…弱いな…

「と、とにかくっもう勝手に進むんじゃねぇぞ」
「あ、あぁ、分かった」

まっすます情けねぇよな俺達…

「じゃぁこれからはちゃんと3人で進もうね!」

そんな俺達を見て仲直りしたと思ったらしい は笑顔で言った。
…まぁ、この笑顔が見れたから情けねぇとか言ってらんねぇよな…






なにはともあれ合流した俺達は深海のコーナーとやらを回っている。
山もいいけど海も良いな。
なんか不思議な感じがする。
あぁでもやっぱり走り屋は山か。走れないのは困る。
慎吾も海ってキャラじゃねぇよな。
海でもせいぜい海岸で女のコをナンパして終わりだろうな。絶対。
海に来たらまず泳げ。遠泳だ遠泳。健康に良い。
あと潜る。魚を探せりゃ充分楽しいだろうな。
あぁ、でもあれか、ここの魚はものすげぇ深い所の魚なんだよな。
だったら大人しくココに来ればいいのか。そうか。
なら、やっぱ、俺は山だよな…

そんな事を考えながら見ている俺。
多少ズレてる所もあるかもしれねぇが本人が満足してりゃいいんだよ。


ふと横を見ると が真剣に水槽の中を覗いていた。
何を見てるんだ?と俺は後ろの方から水槽を覗き込む。
は気付いてないみたいだ。
ついでに真剣に見ていたのはタツノオトシゴとかいうあの縦になって泳いでるやつだ。

「… …なんか変なの好きなんだな…」
「ぅえ!?た、毅君っいつの間に後ろに!!」
「いや、さっきからなんだが…」
「え?そうなの?…気付かなくてゴメンね」
「いや、んな事は気にしなくてもいいんだが…なんでソレ、ずっと見てるんだ?」

俺は指を差しながら言った。
別のもたくさんいるんだからそればっかり見なくてもいいと思うんだが…

「コレ、動き、面白いと思うんだけど…」
「そうか?」

そう言われたので俺もじっと見てみることにした。
確かに他の魚とは違っていて面白いかもしれない。
しばらくの間真剣にその水槽を2人で眺めていたら後ろから声を掛けられた。

「…お前らよぉ…2人そろってマジな顔してんなもん眺めてんなよ…」
「あ?慎吾?中々面白いぞコレ」
「そうそう」

そう言うと物凄い呆れた顔をされた。
なんだ慎吾、なんか文句あるのか?

「あのなぁ、お前らそこばっかり見てたら先に進めねぇだろうがっ」

(俺に対して)睨みをきかせながら言ってきた。
何拗ねてんだ?こいつ。
しかし慎吾の言うことも確かなんだよなぁ…
しょうがない、ここは諦めて先に進むか。

名残惜しそうに進む俺と を横目で見た慎吾はため息をついていた。







そんなこんなでたまに俺と で止まってそれを慎吾に急かされながらも進んでいった。
大体のものも見れたし俺的には満足だ。
途中 がオレンジの魚を発見して「ニモだ〜♪」と喜んでいる姿を見て癒されたしな。
ところでニモってなんだ?
そう慎吾に聞いたら「バーカ」と一蹴されてしまった。
くそぅ…慎吾はなんで知ってるんだよ…
そんな慎吾でも満足してるみたいだった。
珍しい。
「やっぱサメだろ?」と言われた時はやっぱりこいつはこういう奴だよな、と納得してしまった。
は大喜びしてる。
こう、喜ばれると一緒に来た甲斐があるっていうか…
なんか普段見れない表情が見れて…
なんというか…
えぇと…///
とっとにかく!!今俺たちは出口の近くにあるいわゆるお土産屋の近くに来た。

「あ〜お土産屋さん!ねぇ、見ていこうよ!」
「おう、見てくか」

はやっぱり見ていく気満々だな。
俺はそれに否定はしない。
こういうトコって見てるだけでも楽しいんだよな。
慎吾君は?という感じで は慎吾の方を見た。



「俺ぇ?俺は………便所」



「………お前なぁ…」


呆れた俺にしょうがねぇだろ!と慎吾は悪態をついた。
まさかトイレに行きたいから進むのを早くしたんじゃねぇだろうな…

「じゃぁ私たち見てるから行って来なよ」
「おう」
「迷うなよ」
「誰がってめぇじゃあるまいし」
「はいはい」

言うが早いが慎吾はさっさとトイレのマークを探しに行った。

「じゃぁ見ようよ、毅君」
「あぁ」




俺達2人はお土産屋へ足を進めた。
前から思っていたがこういう水族館のでっかいイルカとかのヌイグルミって誰が買うんだろうな。
俺だったら…場合によっては買うな。
柔らかいやつはマクラの変わりに出来そうだしな。
あ、それだったらカメか。カメの方がいいか。低いし。
イカとか、あるとこにはあるよな。
あれはどうやって置いておくんだろうか。
部屋とかには立てて置くのかそれとも寝かせて置くのか。気になるな。
そんな風に思いながら店内をうろつく。
そしたら店の端にいる に呼ばれた。


「どうした
「えぇとね友達になんか買ってこうと思ったんだけど……ねぇ毅君」
「どれがいいかってか?…食えるもん」
「そうじゃなくて、あ、いや、今それ聞こうと思ったんだけど…」
「なんだ?他になんかあるのか?」
「えぇと…あるんだけど…」


なにやら言いにくいのかモジモジした仕草をする
な、なんだよ…
怒らない?って小首を傾げながら訊いてきた に俺は否定出来る訳もなく、
怒らねぇよ、と答えた。
大体 は俺を怒らすようなコトはしないしな。
本人が気にしてるだけだ。大丈夫。怒らねぇよ俺は。
惚れた弱み、ってのもあるしな。
悲しそうな顔は見たくねぇよ…


「で、なんだ?俺に聞きたいことって」
「えっとね…なんで毅君って私のコト、 って呼ぶのかなって」
「へ?」
「私は毅君のコト、名前で呼んでるのになぁって…慎吾君は私のコト名前で呼んでくれてるよ?」
「え、えぇと…そ、それってどういう…」
「だからね…毅君はそういう礼儀ってやつ、気にする人なんだろうケド、仲良くなったんだからさ」
「だ、だから…?」


「…名前で呼んで?」



………多分俺の顔は赤いな………
確実に今声を出すと裏返る、自信を持って言える!!
いや、こんなコトに自信を持つ必要性があるのか疑わしいんだがっ!!



えぇぇぇぇ!!!!?///



俺は生まれて初めて
「名前で呼んで?」
って女のコに言われた気がしますお母さん。(お母さん?)
姉さん事件です!!(かなり動揺中)



「毅君…どうしたの?」


の言葉で我に返った俺。
そ、そうだ、 の言った言葉に深い意味はないっ!
ただ単に苗字で呼ばれるのが堅苦しいだけなんだ!!
そうなんだ!!
そう自分に言い聞かせた。


「い、いや、なんでもねぇよ… …」
「だからっ だって」
「……ぅ…えぇと…………… (小声)」
「なんで小声で言うの毅君」
「い、いや、深い意味は…///」
「…まっいっか、じゃあ今度から って呼んでね♪」
「…努力はする…」
「…努力が必要なの?それって…」
「…人によるな」


わかんない、といった感じで首を傾げる …いや
俺は心の準備が出来てなかったんだよ…
そこんところ分かってくれ…(涙)
でも、嬉しい事には変わりないよな。
が、頑張って呼べるようにするぞ!


「あ、で、毅君っお土産って何がいいのかなっ?」


にっこりと笑いながら振り返ってきた
思わずドキッとする俺。
あ、ダメだ、呼ぶ自信がなくなってきた…ま、眩しすぎる…

「…く、クッキーの詰め合わせが当店オススメのお土産となっております」

思わずソレを手に取って店員になってしまった俺が居た。





しばらくしたら慎吾が戻ってきた。
遅かったところを見るとやっぱり迷ったな、あいつ。

「あ、慎吾君遅かったね〜」
「…混んでたんだよ…」
「そうなんだ?お疲れ様〜」

信じるなよ 。奴は明らかに動揺してるぞ。目線逸らしてるぞ。
迷ったんだ、そいつは迷ってすぐにトイレに行けなかったんだ。
そう言ってやりたかったんだが…

「?どした毅、なんか挙動不審だな…」
「そ、そうか…?」

そう、さっきのコトで慎吾以上に動揺したままの俺。
な、情けねぇよな…

「し、慎吾は店、見ねぇのか?」
「見ねぇ」
「そ、そうか…」
「…?やっぱ毅お前おかしいぞ、何かあったん…」
「何でもねぇ!!!」
「……お前、峠で聞き出すからな…」

頼むから何も訊かないでくれ…!
こういうとき、慎吾の性格の悪さを恨むぜ…

「じゃぁ、もう帰ろっか?」

が出した助け舟。
あぁでも今は俺の動揺を大きくするだけだったというのは彼女は気付かない。
(ちなみに慎吾は気付いた)













****************













帰りも中里の運転で帰る3人。
慎吾は中里の様子を窺っていた。何があったんだ、と。
便所なんか後で毅ひっつれてあん時は居ればよかったな、とか今更後悔。
ちらりと後ろを振り向けばニコニコしている がいた。

「楽しかったね〜♪」
「まぁな、最初は毅がいなくなってどうなるかと思ったけどな〜な、迷子ちゃん」
「うるせぇよ慎吾…忘れろ」
「生憎俺の頭は毅みたく老化が始まってないんでそう簡単には忘れねぇよ」
「なんだと!お前っ車から落とすぞ!」
「あ〜怖いな〜毅ちゃ〜ん」
「あ〜の〜なぁ!」
「喧嘩はダ〜メ!」
「へっ」
「ふんっ」
「…これだけはかわらないんだねぇ2人共…」

呆れたように言う
男2人、ちょっとショックを受けたようだった。
男だって心は繊細なんです。

「でも、2人共楽しかったんでしょ?」
「おう」
「あぁ」
「じゃぁ、また3人で遊ぼうよ!一杯遊ぼうよ!」
「ま、たまにはな」
「そうだな」
「あ、ガソリンは毅持ちでな」
「オイコラ慎吾」
「あ、それなら私が…」


「「 はいいの!!」」


見事にはもった。
でも何か違和感。
あっ、と慎吾。
あー…、と中里。
横目でチラリと見ると不機嫌そうな慎吾の顔。
バレッバレだぜ、って目で言ってる。
そうかよ、でもこれだけは譲れねぇんだよって目で返した。
周りからしたら今更だったが2人はライバルの存在に気がついた。
こいつか、と…

「…?どうしたの2人共、黙っちゃって」
「なんでもねぇよ、なぁ毅」
「そうだぜ、なぁ慎吾」



3人で笑った。




だが、実際に笑ったのは ただ1人。




男2人は目は笑っていなかった。











がどちらかを、それとも両方を、意識するのはいつの日か。













それは神様、彗星様(なんでよ)でもわからないことだった…









END







***あとがき***
2424HITのキリリク夢、遂に完結!!
…といってもなんだこりゃって感じで…甘甘??なのか??これ。
RAY様、長らくお待たせしまして、こんな出来ですみませんっ(汗)
今回は中里さんサイドになります。
中里さんは結構余計なことを考えてそうなんでそれを入れてみました。
深海のコーナー回ってるときとか全然関係ないじゃん(笑)みたいな。
お土産のとこも1人で回ってたら意味不明なコト考えてそうです。
というか中里さん好きなのにお笑い色が強いような…
なんでだ!
そして終わり方、自分ではありかなぁって…微妙だったら直しますから!
ナイトキッズで争奪戦っての、書きたくなりましたが。
あはは・・・(苦笑)
なにはともあれ!リクエストありがとうございました!
こちらもご自由にお持ち帰りください!
あ、RAYさんのみお持ち帰りですよ。



2005・3・21  脱稿




☆感想☆
か、可愛い〜〜〜〜っ!!!!!
毅さん可愛い過ぎですよぉっ!!!!
海の偉大さとか笑ってましたよ、私・・・
甘いですよ〜!虫歯が増えますよ・・・
あ、でも止められないんですよねぇ
名前を毅さんが呼ぶとこなんか、口から砂糖が出そうでしたよ
もうメロメロですよ・・・
郁矢さま、本当にありがとうございました!!
これを読んだ後に私は踊り始めるかもです・・・
踊りださずにはいられませんよぉ〜〜っ!!!