「毅ぃ〜週末どうするか〜?」



「ん〜…そうだな…思いっきり走りにでも…」









「…走るって何?」








2人は同時に振り返った。
















2424hit☆郁矢様からいただきました☆

『水族館へ行こう!』

















「ふんふふ〜ん♪」


は上機嫌であった。


ことの始まりは2日前、中里、慎吾が2人で大学の教室に残っていた時の事だった。
2人が会話しているときに急に割り込んできた
普段ならば滅多に話しには入ってこないはずだった。
しかし今日は話に入ってきた。

「ねぇ、走るって…2人共陸上のクラブとかやってるの?」
「あ〜?違う違う、んなこと俺がやる訳ねぇだろぉ?」
「えぇと…俺達の言う走るってのは車で走ることなんだ」
「え?2人共免許持ってるの!?」

純粋な驚きを見せられて戸惑う中里と慎吾。

何もそんなに驚くことねぇだろ…

しかし、確かに大学へは車で行ってないし、免許を持っていることも言ってはいなかった訳で…
まぁしょうがないか、と2人は思った。

「ねぇねぇ、じゃぁさ…土曜とかって走りに行っちゃうの?」
「何でそんなこと訊きやがるんだ?」
「なんかあるのか?」

明らかに何かある!という素振りを見せる に反応する2人。
しばらくもじもじとしている様子の だったが意を決したように口を開いた。



「ねぇ、何もなくて暇ならさ…3人で水族館とか行かない?無料券、もらっちゃったの」



「はぁぁ?」

「な、なんか急だな…」


いきなりの事に同様を隠せない2人。



しかし…この2人、誰にも言ってないのだが…



に対して好意を持っているらしく…



「ダメ…かな?」



なんて可愛く訊かれたら


「べ、別にいいぜ!なぁ毅?」

「お、おぅ、必ずしなくちゃいけないって訳でもねぇしな!な、慎吾?」


と答えるしか術はなかった。











そして今は車の中。
はリヤシートでニコニコ笑っている。

「おい慎吾、お前ガソリン代半分出せよ」
「なんで俺がテメェの車のために金を出さなきゃならねぇんだよ」
「じゃあお前1人でシビックに乗ってろ」
「ヤダね、めんどくせぇし」
「テメェ…」

「はい!ケンカはダメだよ!!」

「…けっ」
「…フン」

先ほどからこの調子。
と2人でないことがおもしろくないらしい
。 言っておくが決めたのはお前ら2人だからな。(※回想シーン参照)

「なんでケンカばっかりしちゃうのかなぁ?あ、ガソリン代なら私が…」
「は!? !!お前が出すことない!!」
「そうだぜ !!それなら俺が出した方がいい!!」

さっきと言ってること違うぞ慎吾…
明らかに不満そうな顔をする中里であった。
まぁ払ってくれるんならいいか…と1人で結論することにしておいた。




そんな訳で車は中里のR32である。
それを決めるのにももめていた訳なのだが…



『シビックなんて安定感のねぇ車でお前が運転でもして が酔ったらどうする!!』


という中里の妙な力説でR32に決ったのだった。
それで納得する慎吾も慎吾なのだが…
車酔いをさせることだけは避けたかったらしい。
いわゆる惚れた弱みというものか…
それとも馬鹿2人が揃っただけなのか…
周りからしたら後者だろうな。


「なぁ毅、あとどんくらいで着くんだ?」
「えと…そろそろ見えてきてもいいはずなんだが…」

「あ!見えた!!」

が嬉しそうに声を上げた。

「お〜」
「やっとかよ…」

前方には目的地…いわゆる水族館が見えていた。














*****************













―慎吾サイド―







水族館なんて俺にゃ縁のねぇ所かと思ったが…


たまにはいいかもしれねぇな…


けどよぉ…


いつまでここにいるつもりなんだこいつらは!!!!




俺達は中に入ってちょっとの所にある『浅瀬コーナー』にいる。
そこにはよくある『ふれあい広場』なんてのもある。
ヒトデやら貝やらちっせぇ魚が水の中に入っていてそれを触れるってやつだ。
そこで毅と はずぅっと遊んでやがる!!


毅!うまそうだなってこっそり呟いてるんじゃねぇよ!!!


!!ヒトデやらなんやらでコロニー作るなよ!!!!


ったく…いつになったら先に進むつもりなんだこいつらは…


「おい、お前ら…先に進む気ねぇのかよ…」
「へ?…あ、あぁ…そうだったな…」
「そ、そうだね…もうそろそろ行こうか…」


なんでそこで名残惜しそうにしやがるんだよ!!?

この2人は頭のレベルが同じだったらしい…
俺、この先何があっても対処できねぇかもしれねぇな…
まず自信がねぇ。
その上、
何をしでかすか想像すらできねぇ。
まぁそんときゃ放っておくしかないな…



浅瀬に住む生物…この場合魚とかなんだが…は見たことのあるのが多かった。
海とかそこらにいるようなのが多いのか?
人間、そんな深くまで泳がねぇだろうから深海のやつぁ知らねぇだけなのか?
とにかくそんなもんなんだ。

「もっと奥に行かねぇとサメとかはいそうにねぇな…」

ボソッと呟いたつもりだった。
あの2人は熱心に小魚やらなんやらを見ていると思っていた。
が、

「慎吾君、サメ見たいの?」

が急に振り返ってきやがった…笑顔で。
ちっくしょう、おれは地味にそういう仕草に弱いんだよ!!

「ど…どうせ見るならデケェ奴の方が見ごたえがあるからな…」
「小さい魚も見てたら楽しいよ?」

また笑った。




ヤベェ、マジヤベェ…可愛すぎだろお前!!




心の中で悶えている俺を余所に は続ける。

「だってさぁ、小さい魚って色がキレーなのが多いでしょ?楽しいよ」

小さくて可愛いし、と付け足す



お前も小さくて可愛いぜ…


なんて言いそうになる自分を必死に押さえて俺は大人しくすることにした。



んなこと言ったら俺のキャラが崩れるだろぉ?


とりあえず俺はガラスの向こうの魚より、目の前の愛しい人(俺が言うとサムいな)を見ることにしよう。
目の保養、目の保養だこれは!!
決して下心からじゃねぇからな!!!(どうだか)



つーかすっかり忘れてたけどよぅ…


毅、あいつどこ行ったんだ?


「なぁおい 、毅はどこに消えやがったんだ?」
「え?毅君??…えぇと………どこ、かなぁ?」



………何。


あいつ迷子かよ!!!?


「き、きっと私たちが話してる間に先に進んじゃってるんだよ!」
「…だろうな、あいつは集中すると周りが見えなくなるタイプだからな…」


たくっ…世話の焼ける男だな、あいつは…
ま、 とゆぅっくり行かせてもらうぜぇ…(邪笑)
冷静に考えると美味しいことこの上ない状況だからな。




本当に俺達2人はゆっくり周っていた。

がもうちょっと〜と言って水槽を覗いているからだ。
俺?俺か?
さっきも言った通り、目の保養中だ。
悪いかよ。
他にも見てるんだぜ?
周りの客とか…
休日とのこともあって家族連れやカップルが多い水族館。
2人きりの俺達もそう見えてるかもしれねぇってな優越感に浸っているって訳だ。
毅が悪いんだぜ?先に行っちまうからよぉ…ふふんっ

「ねぇ慎吾君っ」
「あん?何だよ」

急に話し掛けられて我に返った俺。
しかも俺も現金なやつで話し掛けられただけで嬉しくなってきてやがる。
…もちろん表にはださねぇけどな。

「ニモってどこにいるのかな?」
「ニモ??ニモっていやぁ…あれか?映画に出てたあのオレンジ色の…」
「そうそれ!名前忘れちゃったからニモって呼んでるんだけど…」
「あー…ありゃ深いとこにいる魚じゃなかったか?」
「そうなの?」
「確かな…イソギンチャクやら海藻に紛れて住んでるってなイメージがあるんだが…」
「ほぇ…じゃぁ先に進めばその内にいるかもしれないんだね〜」
「そうだな」

楽しみー♪と言ってニコニコし始める
やっぱ可愛いヤツだよなこいつ…と確認してしまう俺だった。

「慎吾君何ニヤけてるの?」
「な、なんでもねぇよ」

そんな指摘を受けて俺は思わず慌ててしまった。

「そ、そんなことより先に進もうぜ」

それを隠すように言って の頭をわしゃわしゃと撫でる。
指に伝わる髪の感触が心地よい。
こいつ、髪、サラサラなんだなぁ…

「もうっ慎吾君っ髪がぐしゃぐしゃになっちゃうよ〜」

思わず撫でまくってしまっていた。
まぁ はちょっとしたじゃれ合い程度にとったらしくて笑いながら文句を言った。
なんか中々いい雰囲気なんじゃねぇか?俺達。
この空気にいつもは荒んでいる俺の心も癒されていた。
いつもは周りは男ばっかで潤わねぇっつーの!
荒む荒む…
んなことはいい、今は目の前の幸せだ。

「慎吾君〜ぐしゃぐしゃ〜」
「あ、悪ぃ…いやでも手グシで戻りそうな…」

そういいつつ俺は の髪を手で梳かす。
思った通り髪はサラサラであっという間に元に戻った。

「も〜撫ですぎ〜」
「別にいいじゃねぇかよ…中々ないぜ、俺に頭を撫でられるなんて」
「まぁ確かにそうかも…じゃぁ私、滅多に出来ない経験をしたんだなぁ」
「そういうことだ、ありがたいと思えよ〜」

と言って俺はひゃははと笑う。
むしろ俺が滅多に出来ねぇような経験をしたんだがな。
の髪を触るなんて今までしたことなかったぜ。

「うん、あ、そろそろ進もうか?」
「お〜そうだな」
「次は何がいるのかな〜?」

そんな感じで俺達は進み出した。




しばらく歩くとだんだん照明が暗くなってきていることに気付いた。
何だ?と思ったがさらに進むと入り口があってそこには
『深海のコーナー』
って書いてあったからあぁ深海の雰囲気を出してる訳か…てな納得をした。
にしても今までも結構進んできたが毅に会わねぇってのはどういうことなんだ?
あいつはどこまで行きやがったんだよ…

「ねぇ…毅君、どこまで行っちゃったのかなぁ…?」
「さぁな…」
「この先に行ったら暗くて人の顔なんか見えないかも…」
「あ〜…だろうな、たくっ面倒な奴だぜ」

さすがに俺でも心配になってきやがった。
実は俺達が気付いてない間に後ろの方でぶっ倒れてどっかに運ばれてたとか?

……あいつに限ってそりゃねぇな(この間約0.3秒)

とにかく、見つけるには大変なとこまで来ちまったって訳だ。

でもそのコーナーに入った途端ちょっと毅のこと忘れた俺。
デッケェ水槽。
サメ。
インパクトあるぜ…これ…

「わぁ〜おっきな水槽〜」
「…だな」

他にもマグロだかなんだか大き目の魚がうようよ入ってやがる。
ここだけいやに広かったがなんか妙に納得しちまった。

近づいて見ようと思って歩き出したんだが…










探し物なんてなあっさり見つかるときゃ見つかるもんで









そのデッケェ水槽の前で










口を半開きにして









ずっとそこにいたらしい









毅が立っていた。


















―続く―






















***アトガキ***
2424HITのキリリク、ナイトキッズと水族館な訳ですが
RAYさん、遅くなりました。
しかもまだ第1話。
4話にするかな?とか思ってましたが2話完結にします。
しばらくお付き合い下さいね。
1話目は慎吾サイドです。
水族館に来ておいてそれっぽい甘い話は少ないような…
しかも迷子の毅さんが書けて満足している私。
ダメダメじゃん!!
書いている途中でどうしても妹設定の時の慎吾が抜けなくて大変なことに…
その子は妹じゃないよ!!とか自分で叫んでたり。
難しいもんですね。
そしてこれ、全員大学生という設定ですが…
毅さん…無理があるんじゃ…と1人で考えてしまいました。
新境地開きっぱなしです!
阿呆な人間・郁矢でありました。



H16・11・27  脱稿


☆感想☆
郁矢様ありがとうございますです!
こんな話ならずっと付き合っていたいくらいですよ
もう慎吾さんに頭撫でられてきゅ〜んってなっちゃいましたです
そして毅さんの迷子・・・迷大人?が
RAYのツボにヒットです(笑) 本当にありがとうございましたです!!
by今だに舞い上がっているRAY