薔薇乙女の月光歌【出逢い】



奇妙な夢から、目が覚めた・・・。

夢の中で、見たことも無いウサギが喋っていた夢。


(なんだったんだ、あれ・・・?)

『巻きますか?巻きませんか?』

まだ、はっきりとしない頭の中で、夢のウサギの声が木霊する。

(巻くって・・・なにを?)

目覚めるときに、私は、ウサギの問いかけに答えた・・・ような気がする。

夢というのは、曖昧なものではないか、っと私は思う。
何故なら、どれだけ奇妙な夢を見ても・・・
目覚めたとき、その記憶は薄らと靄の掛かっているように
肝心なことは、既に頭の中から抜け落ちている。
全てを思い出すのは、不可能なものだから。

しかし、人は夢を見る。
眠りの中で、自身の幸福な夢を・・・。
たとえ曖昧であっても、人は夢見ることを拒まない。

(結局、なんて答えたんだっけ・・・?)

ベットサイドのカレンダー、土曜日の今日は、学校は休みだった。

何をするでもなく、ゆっくりと着替えを済ませ、
自室内を見渡す・・・
自室といっても、親は全く家に帰ってこないし
兄弟もいない私にとって、家全体が自室といえるのかもしれない。
だけど、この部屋が一番落ち着くのは確かだ・・・。

2階にある、私の部屋からは、ベランダにも出れて
とても日当たりのいい場所だ。
朝食を取る為に、1階のダイニングへと向かう。

夢のせいなのか・・・。
たんなる怠け癖なのか・・・。
今日は、何をする気にもならない。
予定を入れてない日は、自分の好きなお菓子作りに
専念しようと思っていたけど・・・今日は、中止だ。

毎月、多いくらいの仕送りをしてくる両親のおかげで
衣食住とも、別に困った生活をしているわけではない・・・。
ただ、今日は作る気は無いので朝昼晩と、食事は果物になりそうだ。

果物は、良いと思う。
洗えば大体のものは、そのまま食べれて調理をする必要も無いし、
栄養価も高いし、健康に良い。
日本人は、もっと果物を摂るべきだ・・・。

朝食代わりの赤いリンゴを一つ手に取り、
私は部屋に戻る・・・。
階段を上りながら、既に一口リンゴをかじってしまうのは悪い癖だ。

自分の部屋のドアノブを捻り
部屋の中に入る・・・?

「・・・はぁっ?!」

明らかに目覚めたときと何かが違う・・・?
この部屋を出るときには、確かになかったはずの大きな鞄。
アンティークのような風陰気を持つ、それは
ちょうど部屋の中央であろう場所にあった・・・。

(奇妙な夢に、奇妙な鞄・・・
なんか、私の周りって奇妙な物だらけだなぁ・・・。)

そんなことを思いながら、鞄に近づく。
何が入っているのか、検討が付かないのだから
警戒するのも無理は無い・・・
警戒しないほうが、どうかしている。

(中身を見て、ヤバそうなモノだったら
おまわりさんに任せるか・・・)

余計なことを考え、鞄を開けた瞬間。

私は、まだ一口しか食べていない真新しいリンゴを
床へと、落としてしまった・・・。

「・・・女の子?」

緊張の息が切れたせいか、安堵の息が漏れる。
驚きのあまり、一瞬、時が止まったかと思えた時間の音も
キチンと規則的に部屋中に鳴り響いている。

「人形、なのかな?」

鞄の中にいる少女は、まるで本物の人間の女の子の様で
横たわっている姿を見ていると、本当に眠っているようだった

「・・・コレって、ゼンマイ?」

少女の傍らに置いてあるその、古びたゼンマイを手にとる。
冷たくて、少々重いゼンマイ・・・。
コレを巻くと、少女は目覚めるのだろうか?
人形なのだから、暇つぶしの歌でも一つ歌ってくれるかもしれない。

少女を前から抱きしめるように抱え、ゼンマイの穴をさがす。
やっと見つけたときに、再度、頭の中でウサギの声が聞こえた・・・。

巻きますか?巻きませんか?

夢というのは、忘れかけていても
なにかのきっかけさえあれば、正しく思い出せる。
まるで、パズルのように・・・。
そして、私は夢の中の答えを導き出した。

巻きますか?巻きませんか?

「・・・巻きます!」

少女にゼンマイを差し込むと、部屋の中が白く光り輝いた。
差し込んだだけで、自動的に巻かれていくゼンマイ・・・。
眩しいくらいの光を放つ少女の身体は、空中に浮かび
何事も無いように、部屋の床に降り立つ。

「なんだったの、今のは・・・?」

光がおさまった頃、私は自分の目の前に起こっていることが
信じられなかった・・・。

「・・・はじめまして、目覚めさせてくれて感謝します。」

にっこりと微笑んで、少女の人形は、お辞儀をしたのだから・・・。

ゆっくりと近づいてくる、その子を、可愛いなっと
こんな時に不謹慎ながらも、私は思った・・・。








―あとがき―
はい、ローゼンメイデン夢小説、第二話目です。
夢小説なのに、今だ名前変換が出てこないじゃないかと
怒っている方もいるかと思います・・・。
えぇっと、次回からはバリバリ出てくるはずなので
もう少し御待ちくださいね?
それにしても・・・すっごい大雑把に話が進んでますね・・・
こんな調子で、連載やっちゃってもいいのかしら??
なにやら頭文字Dを目当てに来てくださってる方から
苦情が沢山くる予感がします・・・。
なんにせよ、感想などはBBSから、お願いします。
首を長くして待ってますよ〜。