薔薇乙女の月光歌【誓い】
(えぇ〜っと・・・何でこうなったんだろう?)
綺麗に整頓されているシステムキッチンの中で
小さな食器の音を立てながら、お茶を入れている小さな少女・・・。
そんな後姿を見ながら、
は、リビングのソファーで必死に頭の中を回転させる。
自分の部屋にあった、見知らぬ鞄
その中から出てきた動く人形の少女・・・。
夢の続きかと思い何度も頬を抓るが、
その痛みは、本物で・・・
繰り返し、行う行動は意味を成さない。
「お茶が入りましたよ。」
目の前のテーブルにカチャリと置かれたティーカップ。
にこにこっと微笑んでいる少女に一言お礼を述べて
まだ、湯気の留まらないカップを口元に運ぶ・・・。
「・・・!おいしい。」
暖かさとともに、ふんわりと広がる・・・。
砂糖なしなのが、苦く感じる原因だろうが
今まで飲んだ中で、トップの味であろうお茶に
少しながらの懐かしさを感じた。
(紅茶なんて・・・、何ヶ月振りだっけ?)
そんな
を、嬉しそうに見つめる少女は
とても、人形とは思えなかった・・・。
「ありがとう、とっても美味しかったよ」
再度、お礼を言い、前に位置するソファーを進めると
軽く会釈してから少女は、座った。
しばらく、続く沈黙・・・。
「えっと・・・名前まだ聞いてなかったよね?」
さきに、口を開いたのは
だった。
キョトンした顔で、人形の少女が意味を理解し
慌ててソファーから立ち上がると
頭に付けていた小さなシルクハットを外し
ペコリと頭を下げる。
「失礼しました。僕は、白名月(はくめいげつ)と言います。」
にっこり微笑む少女は、名の通り白や淡いクリーム色などで
全身をまとめ、白っというイメージにピッタリと当てはまっていた。
クリーム色のリボンに、薔薇の飾りが付いた小さなシルクハットに
白く大きく目立つ胸元のリボン・・・。
まるで、男の子のようにも見える膝上丈の短いズボン。
その下には、白い可愛らしい靴を履いている。
純粋な少女、そのものと言った彼女は
とても、幼くも見え・・・とても美しかった。
「白名月・・・?不思議な響の名前。」
名前を聞いて、にっこり笑った
を見て、白名月は少し苦笑をした。
「変な名前ですか・・・?」
不安そうな目で見つめてくる目の前の少女に
は首を振る。
「そんなことないよ?とても綺麗な名前だし、素敵だと思う。」
「そう、ですか?・・・ありがとうございます。」
嬉しそうに微笑む少女は、
人形であることを忘れてしまうほどに
愛らしく、はにかむ・・・。
実は、本当に生きている少女なのではないのかと
少女が目覚めてから、何度も
は口を開きかけたのだ。
(それにしても・・・本当に綺麗な子。)
そんなことを思いながら白名月を見つめると
途端に、目が合い気まずい空気を充満させてしまう・・・。
「あ、あの・・・君の名前、教えてもらえますか?」
その空気を打ち破る、ふんわりとした優しい声に
は、多少の落ち着きを取り戻して罰の悪そうな笑顔になった。
「そういえば、まだ自己紹介してなかったね・・・
自分から白名月の名前を聞いたのに、礼儀がなってなかったよ。」
ごめんね、っと顔の前に手を合わせると
少女は、ブンブンっと首を振った。
その少女の行動を可愛いと思いながら、
は、座っていたソファーの上でキチンと
体制を整えた。
「私は、
。
よろし・・・っ?!」
自己紹介が終わらぬうちに、突然窓ガラスが割れる。
粉々に砕け散るガラスから
を庇うように立つ白名月を驚きの目で見つめ。
は、ガラスの中に紛れるように飛んでくる
黒い羽根を見つめた・・・。
(なに・・・っ?あれ?!)
今の状況を把握できていない
の隣りを
その羽根は過ぎ去り、後ろにあったソファーに風穴を開けた。
(・・・もしかして、死ぬ?)
あまりにもな、その切れ味の良さに目を向き
自分の死すらも予感する
に、穏やかな声がかけられる。
「大丈夫です、僕が
様を守りますから。」
落ち着いた声に、少し安堵の表情を浮かべると
白名月は、
の前に、左手を指し伸ばす・・・。
「あなたは、螺子を巻いた。
そして、僕は目覚めた・・・。
それは・・・幕開け。
僕の指輪にキスをして・・・?
そうすれば、契約が成立する。」
「幕開け・・・?契約・・・?」
意味がわからないという表情で
は、白名月を見た。
しかし、そんななかでも黒い羽根は二人の上に降り注ぐ。
とっさに、自身のみを翻し白名月は
の盾となる。
痛みを絶える白名月を見て、不審な眼差しを向ける。
(守るって・・・言ってくれたけど、
なんで反撃しないの?!)
「
・・・契約をっ
」
痛みの中で呟かれた小さな声に
は、困惑の表情を浮かべる。
(私は・・・螺子を巻いた。
なら、契約を交わすのも運命かもしれない。)
運命なんて、信じてないけどね・・・。
っと、自嘲気味に笑うと
軽く目を閉じて、小さな手の小さな指に口付けをする。
「・・・っ?!」
指輪から発せられた、眩い光・・・。
それとともに、
は自身の指が燃えるように熱くなる。
ぼやけそうな視界の中、
白い服を全身に纏った少女は
「ありがとう」っと微笑んだ。
「ローティ・ムーン!!」
白名月の声に、白い光の珠が引き寄せられ
その姿を、細身の長剣へと姿を変える。
そして、右へ左へと踊るかのごとく羽根を切り裂いていった。
優雅に舞うのを眺めていると・・・それを恐れるかのように
羽根の襲撃は止まっていった。
最後に飛んできた羽根がぽとリっと床に落ちたときには
部屋の中は、まるで今までいた場所とは思えないくらいに
荒れてしまっていた・・・。
部屋の中で立ちつくす
をみて、怪我がないのを確認すると静かに少女は微笑んだ。
―あとがき―
やっと更新しました!!
ローゼンメイデン夢小説、第三話目です。
ようやく、契約の段階に行きましたが
始めのほうと後ろの方の文のバラつきが痛いなぁー、っと思ってます。
途中までは書いていたのですが、途中で話が進まず
年月が流れたもので・・・大分変わっちゃってると思います。
しかも、今現在朝の5時・・・健全なお子様は眠っている時間です。
睡魔のようなものに取り付かれながら書いたものなので・・・
表現がワンパターンだったりしてますが・・・時間が空き次第に訂正します。
今回も苦情が沢山くる予感が・・・。
感想などはBBSに書いていただけると嬉しいです。
更新がドンガメな管理人ですが、見捨てないでやってくださいまし。
ちなみに、BBSでは雑談も募集しちゃってますよぅ!!(宣伝かよ…)